原形から石膏型を取ります。

🍀唯一、博多人形の技術を活かして、陶器人形を制作する窯元です。
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◆このページの内容
1,原形をつくります。
2,原形から石膏型を取ります。
3,石膏型を使って素地を作ります。
4,石膏型を販売します。(2012、9月掲載)
猫の石膏型◆ある公益財団法人の依頼で猫の石膏型を2種作りました。拡大写真を下に掲載しています。
制作依頼のある方はご連絡してください。(2020、2月)

石膏型による陶器人形の作り方の手順です。

①原形制作:石膏型のための原形を創作します
②型どり:石膏型を作ります
③素地(きじ)押し:石膏型を使って原型と同じ陶人形を作ります
④素焼き…800度前後の低い温度で焼成します
⑤本焼き…1200度以上の高温で焼成します

ここでは①~③を写真で紹介します

1,原形を作ります 干支の猪で説明します。

干支、猪(亥)人形を作ります。 干支、猪(亥)人形を作ります。

猪のような動物は、普段見ることはできないので、
難しいところがあります。今のところ、猪ではなくて、ペンギンのようです。

干支、猪(亥)人形を作ります。 干支、猪(亥)人形を作ります。

耳と手をつけてみました。猪と言うより西洋の悪魔のようです。

◆猪をここまでは、ほとんど手の指で作ってきましたが、大体の形が決まったら、道具を使い始めます。

干支、猪(亥)人形を作ります。

面積の大きいところから、きれいにしていきます。

干支、猪(亥)人形を作ります。

鉄べらで余分な土をそぎます。

干支、猪(亥)人形を作ります。

顔の線を決めて言います。手の部分はすでにきれいになっています。

◆猪の顔の部分のつくりを完成させます。

干支、猪(亥)人形を作ります。

あごの線を整えます。

干支、猪(亥)人形を作ります。

鼻を仕上げます。

干支、猪(亥)人形を作ります。

口もできて、基本的に完成です。

◆猪の顔の部分でも、一番重要な目をつけます。

干支、猪(亥)人形を作ります。

目のあたりに、柔らかい粘土を丸くつけます。猪 特有の牙もつけます。

干支、猪(亥)人形を作ります。

ある程度硬くなったら、へらで削って目と牙の形を作ります。

干支、猪(亥)人形を作ります。

剣に鍔(つば)をつけて、ほぼ完成です。猪に見えますでしょうか。

◆猪が完成です。
猪の目を詳細に彫って完成しました。耳は型押しの時に邪魔になるので、上半分を落としました。同時に、かわいい疾走する猪も作っていました。次の作業は型抜きへと移ります。

干支、猪(亥)人形を作ります。 干支、猪(亥)人形を作ります。

石膏型を取ります。

猪の原形が完成しました。次はこの原形から、猪の石膏型を取ります。この作業は、慣れるまで非常に面倒なものです。
特に、大物となると、溶く石膏量も多くなるし、油断すると土砂崩れのようにそこら辺中に、石膏が飛び散ります。私も何回か土砂崩れを起こして、うんざりした事があります。

石膏型を作ります

干支、猪(亥)人形の石膏型を作ります。

左右、二つに分けて型を取るので、分け目に墨で線を入れます。

干支、猪(亥)人形の石膏型を作ります。

猪を横に寝かします。墨の線がおおよそ、水平に
なるようにします。

干支、猪(亥)人形の石膏型を作ります。
墨線の高さに粘土の台を周りに積み上げてます。

干支、猪(亥)人形の石膏型を作ります。

猪の底に板を密着させます。間に、セルロイド板のようなものを挟みます。

干支、猪(亥)人形の石膏型を作ります。

底板もしっかり固定します。

干支、猪(亥)人形の石膏型を作ります。

指で粘土台の表面を滑らかにします。

干支、猪(亥)人形の石膏型を作ります。

仕上げは「へら」を使って、粘土台と猪の接着面を墨の線に合わせていきます。へら使用の練習が必要です。

干支、猪(亥)人形の石膏型を作ります。

粘土台の完成です。猪と粘土台の間に隙間の無いようにします

干支、猪(亥)人形の石膏型を作ります。

粘土板で塀を建てます。

干支、猪(亥)人形の石膏型を作ります。

溶いた石膏液が流れ出ないよう、きっちり目張りと補強をします。ここで、手を抜くと堤防が決壊し、土砂崩れが起こります。

干支、猪(亥)人形の石膏型を作ります。
溶いた石膏液を猪の上に流し込みます。この写真のみ、小さいほうの猪です。

干支、猪(亥)人形の石膏型を作ります。
10分程で、石膏が固まりますので、粘土板をはずします。無事、半分は成功です。

干支、猪(亥)人形の石膏型を作ります。

底の板もはずしました。粘土台からはずします。これで片側の型の完成です。

干支、猪(亥)人形の石膏型を作ります。

石膏同士がくっつかないように、石膏の合わせ面に、カリ石鹸を塗ります。

干支、猪(亥)人形の石膏型を作ります。

石膏型の周りを、粘土台で囲みます。

干支、猪(亥)人形の石膏型を作ります。

底板を密着させ、再び粘土板の塀を立てます。

干支、猪(亥)人形の石膏型を作ります。

補強をして石膏を流しいれます。

干支、猪(亥)人形の石膏型を作ります。

うまく出来ました。

干支、猪(亥)人形の石膏型を作ります。

猪の石膏型完成。中身は?

干支、猪(亥)人形の石膏型を作ります。

使い易いように、でこぼこを削り落とします。

干支、猪(亥)人形の石膏型を作ります。

ここが奥の手、型を水につけてしまいます。

干支、猪(亥)人形の石膏型を作ります。

5分くらい、水につけておくと、硬くなっていた猪の粘土の表面が溶けて、ずるずるになります。そこで、片側の石膏型をはがします。 もう一方も、猪を壊しながら型から出します

干支、猪(亥)人形の石膏型を作ります。

中を洗って、猪の石膏型の完成です。天日で乾燥させます。

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3,石膏型を使って素地(きじ)を作ります

石膏型を使って素地(きじ)を制作。

陶人形・武者童子の型を使って紹介します

石膏型を使って素地(きじ)を制作。

型の大きさに合わせて粘土板を作ります。粘土の両側にあるたたら板の上1枚をはずし、ワイヤーを両側から引っ張り板に沿って走らせると、2枚の粘土板が出来ます

石膏型を使って素地(きじ)を制作。

粘土板を指でしっかり石膏型に押しつけます。
接着面は型より盛り上げておきます。

石膏型を使って素地(きじ)を制作。
接着面にどべ(粘土を水で溶いた物)を塗り型をしっかり合わせます。

石膏型を使って素地(きじ)を制作。

最後に底を貼りしばらく待ちます。この時、空気の逃げ道用に、底に穴を開けるのを忘れないようにします。忘れると、素焼きの時に爆発します。

石膏型を使って素地(きじ)を制作。
石膏が水分を吸収するので、中身が少し縮まり、
取り出しやすくなります。

石膏型を使って素地(きじ)を制作。

左から、型から取りだしたばかり、後ろの熊は完全に乾燥した物、中央は素焼きした物、右が本焼きした陶人形です。

「型抜き屋」さん「素地(きじ)屋」さん

私が以前、博多人形を製作していた頃は「型抜き屋」さんと言う専門職の人が何人かいまして、博多人形師は自分の原形を型抜き屋さんに持参して、石膏型を取ってもらうのが普通でした。
また、「素地(きじ)屋」さんという専門職の方もいまして、博多人形師はそこへ自分の石膏型を持っていって、素焼きまでしてもらうのも普通のことでした。
現在の状況はどうなっているのでしょうか。

4,石膏型を販売します・価格は税抜です。

最近、ぼちぼちお問い合わせを頂くようになりましたので、販売のシステムを作りました。
期間・・・ご注文から完成まで1~2ヶ月ほどお待ちください。
猫の石膏型

値段

ホームページに掲載されている作品の石膏型は作品価格の5倍の値段とします。
私の石膏型を使って素地(きじ)を押し出して、新たに石膏型を取ります。
但し、私のわがままでお売り出来ない物もあります。
◆1個だけ自分好みのオリジナル作品制作依頼の場合(税抜)
紐つくりで製作します。高さで目安を出しておきます。
10cm(2万円) 15cm(5万円) 20cm(8万円) 25cm(13万円) 30cm(18万円) 35cm(25万円)40cm(32万円) 45cm(40万円)
◆原形は自分で作り、石膏型のみ制作依頼の場合(税抜)
10cm(1万円) 15cm(2万円) 20cm(3万円) 25cm(5万円) 30cm(6万円) 35cm(8万円)40cm(10万円)
◆オリジナルの原形を依頼し、それから石膏型制作を特注の場合、
一品作制作+石膏型制作費(税抜)
10cm(3万円) 15cm(6万円) 20cm(10万円) 25cm(15万円) 30cm(20万円) 35cm(27万円)40cm(35万円)
格安の石膏型
新型が気に入らなかった場合や今まで使っていた石膏型に興味がなくなった場合、格安で提供する時もあります。
常に新陳代謝を心がけていますので、たまにこういう事もあります。作品価格の2倍程度になります。
送料
全国一律2,000円程度からです。

次は 天使のオブジェを紐作り です。